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麻酔科では、手術室での麻酔管理を研修することを通じて、臨床医師として本来必須でありながら、現実には実施機会が少ないために習得が困難な、気管内挿管など救命の基本技術や、呼吸管理・循環管理など、患者の全身管理の基本を習得することを目標としている。
血管確保や気管内挿管は、他科の研修だけでは、技術習得のチャンスが少ないため、十分な研修が行えず、目標レベルに到達できないまま研修期間を終了してしまう恐れがある。しかし、麻酔科研修では、数多くの手術症例を通じて、必須の基本手技を研修期間中に習得することが可能である。
全身麻酔中に行われる人工呼吸を通じて、呼吸生理を理解するとともに、病棟・ICUでの人工呼吸器の設定・使用方法の基本を学び、呼吸管理の概念と技術を習得することができる。また、心電図・血圧などの術中モニターで、患者の循環管理の基本を学ぶことが可能である。
現在の臨床研修制度が実施される以前は、外科・脳外科・心臓外科・整形外科など外科系の1年目・2年目の研修医は、その2年間のうち3ヶ月~6ヶ月の麻酔科ローテートが必須となっていた事実を御存知の方も多いと思う。まだまだ麻酔科医が不足している現況では、外科系医師が当科管理で麻酔・手術の両方を行っている施設もある。そのような理由からも、たとえ研修システム変更にともない、麻酔科が必須研修科目でなくなったとしても、特に外科系志望の研修医の方々にとっては、是非研修しておくべき科の1つであることは明らかである。
