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脳深部刺激(DBS)について

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DBSに関するご質問、お問い合わせメール窓口

担当:脳神経外科 部長 圓尾 知之(マルオ トモユキ)

メールアドレス:t-maruo@otemae.gr.jp

大手前病院DBSの特徴

エキスパートによる安全、確実な治療。

パーキンソン病のみならず、本態性振戦、ジストニアなど幅広い疾患を対象

大手前病院DBSチーム

生塩 之敬(大手前顧問)

後藤 惠(非常勤:徳島大学 教授)

須貝 文宣(脳神経センター長、神経内科部長)

圓尾 知之(脳神経外科部長)

大阪日日新聞に記事が掲載されました。

パーキンソン病や本態性振戦などの病気に対しては、薬の内服による治療が主体となります。しかし、病気が進行してくると薬の内服をきちんと行っていても日常生活に支障がでたり、薬の副作用のために薬を増やすことができなくなる場合があります。そうした場合に、症状を改善させるための治療法として脳深部刺激 (Deep Brain Stimulation: DBS)があります。当院脳神経外科では、多くの経験を積んだ医師により、安全、確実な治療を行っております。

パーキンソン病


本態性振戦

術前        術後(うず巻きの描画が改善)

DBS手術とは

頭の骨に小さな穴をあけ、脳内に細い刺激電極を、定位脳手術装置を使用して治療ターゲット(視床下核や淡蒼球内節など)へ向けて正確に挿入します。その電極に接続した刺激装置を前胸部の皮下に留置し、刺激装置から電極リードを通じて脳の一部を電気刺激します。体の外にはなにも残りませんので、衣服をつけていれば、そとからはわかりません。

DBSは脳内に電極を挿入するだけで脳を破壊しませんので、脳破壊術と比較して格段に安全性が高い特徴があります。また刺激条件は外から無線で変更することができますので、病状の進行にも対応して外来で調整することができます。

当院では2004年に脳外科開設以来、10年で100例以上DBS治療を施行しており、現在も外来で刺激調整を行っております。

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定位脳手術装置 手 術 風 景




 

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DBS手術後のイメージ   刺激プログラマー
(N-Vision)

対象疾患

DBSを当院で行っているのは、主に、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアです。

パーキンソン病の場合: 薬の内服を長期間続けていると、薬の効いている時間が短くなったり(ウェアリングオフ)、勝手に動いたり(ジスキネジア)、幻覚、妄想がでたり(精神症状)、よい時間と悪い時間の差(オンオフ)が激しくなったりします。神経内科の先生のもとで、十分な薬の調節を行っても、日常生活に支障がある場合には、手術を考慮する時期と考えます。 振戦が強いがほかの症状が軽い場合には「視床」が、薬の副作用で不随意運動(ジスキネジア)がでている場合は「淡蒼球内節」、無動・動作緩慢が主体の場合には「視床下核」が刺激部位となります。

本態性振戦の場合:内服薬の調節によっても振戦(ふるえ)が強く、日常生活に支障がみられる場合には、手術が治療の選択肢となります。「視床」が刺激部位となります。

ジストニアの場合:ジストニアは治療の難しい病気ですが、最近、DBSで効果のあるジストニア患者様のあることがわかってきました。病状によっては、かなりの改善が期待できます。

DBSの特徴

以前行われていた同様の治療法に脳凝固術があります。脳凝固術は、脳の一部を破壊することにより治療を行うものでしたが、それに比べDBSは脳にリードという細い電線をいれるだけで脳を破壊しませんので、安全性が高い特徴があります。また刺激の方法を後で外から変更することができますので、病状の進行にも対応ができます。

効  果

DBSで刺激する部位は、病気や症状によって異なります。私たちの経験では、適切な刺激部位を選択すれば、ほとんどの患者さんで有効であり、パーキンソン病の薬の切れている時期(オフ)の症状であれば、30-100%(平均60%)、パーキンソン病や本態性振戦の手のふるえは平均90%以上改善しています。

手術の実際

手術は脳の中に正確にリード(電極)をいれることがもっとも重要です。そのために、頭に正確にリード(電極)を留置するための装置をつけて手術をおこないます。その装置をつけたあとMRIを撮影し、手術がはじまります。手術は、皮膚を小さく切り、頭の骨に小さい穴をあけ、そこから、あらかじめ患者様の症状や病気にあわせて決められた場所に正確に電極のついた細い電線(リード)を挿入します。リード(電極)を留置した後、神経の活動を記録し、試験刺激を行って効果を確かめます。よい位置に入っていることが確認できるまで繰り返し行うこともあります。最終的に刺激装置を埋め込み、手術は終了です。

脳内部の神経の活動を測定することにより目標点が正確にわかるようになったため、基本的には全身麻酔でも行っていますが、病状により局所麻酔下に症状を観察しながら行う場合があります。

入院期間

手術の3-7日前に入院していただき、神経内科と合同で、患者様の病状や、手術を行うべきかを最終決定します。手術が終わった後は、症状を観察しながら、刺激の条件を微妙に調節します。順調に経過した場合は術後2-4週間で退院できます。

費  用

手術には健康保険が適応されます。高額医療制度がありますので、一定の範囲内におさまります。所得額や特定疾患医療症をおもちかどうか、身体障害者認定をうけておられるかなどで、実際の金額は異なります。来院された際にお知らせすることができます。

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